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  派遣説教(1)−派遣される者の心得  

2009年9月13日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:マタイの福音書10章5〜15節

[5]イエスは、この十二人を遣わし、そのとき彼らにこう命じられた。「異邦人の道に行ってはいけません。サマリヤ人の町にはいってはいけません。 [6]イスラエルの家の滅びた羊のところに行きなさい。 [7]行って、『天の御国が近づいた。』と宣べ伝えなさい。 [8]病人を直し、死人を生き返らせ、らい病人をきよめ、悪霊を追い出しなさい。あなたがたは、ただで受けたのだから、ただで与えなさい。 [9]胴巻に金貨や銀貨や銅貨を入れてはいけません。 [10]旅行用の袋も、二枚目の下着も、くつも、杖も持たずに行きなさい。働く者が食べ物を与えられるのは当然だからです。 [11]どんな町や村にはいっても、そこでだれが適当な人かを調べて、そこを立ち去るまで、その人のところにとどまりなさい。 [12]その家にはいるときには、平安を祈るあいさつをしなさい。 [13]その家がそれにふさわしい家なら、その平安はきっとその家に来るし、もし、ふさわしい家でないなら、その平安はあなたがたのところに帰って来ます。 [14]もしだれも、あなたがたを受け入れず、あなたがたのことばに耳を傾けないなら、その家またはその町を出て行くときに、あなたがたの足のちりを払い落としなさい。 [15]まことに、あなたがたに告げます。さばきの日には、ソドムとゴモラの地でも、その町よりはまだ罰が軽いのです。

説教要旨

マタイの福音書には、イエス様の語られた五大説教が収録されています。本日は、その二番目である「派遣の説教」です。この説教は、イエス様が十二弟子を「使徒」として任命された直後に語られたもので、第一区分の5〜15節には「派遣される者の心得」が5つ挙げられています。

〈心得1:伝える範囲を明確にする〉
まず、イエス様は弟子たちに働き場を限定するように命じられました。「異邦人の道へ行ってはなりません。サマリヤ人の町にはいってはいけません。イスラエルの滅びた羊のところに行きなさい。」(5節b、6節)その理由として、(1)伝道には優先順位があること、(2)伝道範囲は段階的に拡げていくべきもの(使徒1章8節)、(3)伝道初心者は同じ基盤(文化・習慣・言語)を持つ人に伝道すること、という原則があったのです。

〈心得2:伝えるメッセージを明確にする〉
次に、イエス様は語るべき内容について明言されました。「行って、『天の御国が近づいた』と宣べ伝えなさい。」(7節)彼らは、自分の持つ知識や経験を話すよう求められてはいなかったのです。彼らが語るべきことは、イエス様に関することでなければならず、イエス様の到来と共に神のご支配がこの地上に近づいているということを、人々に伝えることがその使命であったということです。

〈心得3:働きに際して人から見返りを求めない〉
さらに、イエス様は、弟子たちがする神のわざを無報酬で行なうよう指示されました。「あなたがたは、ただで受けたのだから、ただで与えなさい。」(8節b)この指示には、神の選びと恵みを受けた者として、人から見返りを求める思い(不純な動機)で人に関わってはいけない、何事においても神に栄光を帰す思い(純粋な動機)で行なうべきことが教えられています。

〈心得4−必要は神によって備えられると信じる〉
四番目の心得は、持ち物に関することです。イエス様は弟子たちに対して、必要最小限の持ち物で出かけていくよう命じられました。「胴巻に金貨や銀貨を入れてはいけません。旅行用の袋も・・・」(9〜10節)この指示は、一見すると無謀な働きを弟子たちに強いるようにも思えます。しかし、イエス様は、それらが決して必要ないと言われたのではなく、必要を全てご存知で、必ず備えてくださる神様を信頼することを徹底させるために、この指示を言われたのです。

〈心得5:落ち着いて活動できる場所を確保する〉
最後の心得は、活動の拠点に関することです。11〜14節でイエス様は、「どんな町や村にはいっても、そこでだれが適当な人かを調べて、そこを立ち去るまで、その人のところにとどまりなさい。」と命じられました。つまり、伝道の働きに好意的で協力してくれそうな人を探して、その人の家を拠点として活動するようにということです。伝道の働きは一時的なものではなく、使命感をもって継続して行われるべきものです。それゆえ、一つの場所に拠点を置く必要があったのです。

その際に、伝道の働きに理解を示してくれる協力者を探すこと、そして、その家の人たちに対しては、感謝と礼をもって接するようにとイエス様は命じられたのです。しかし、神のメッセージに対して意図的に拒否する人に対しては、断固とした態度をとることも教えられています。「足のちりを払い落とす」(14節)とは、神ご自身が不快な思いをされたことを表すジェスチャーで、『あなたは拒んだ、その責任はあなた自身にある』という宣言を意味するのです(使徒18章6節)。主の働きに携わる者たちは、主の権威を帯びている者として、決して弱い立場に立たされているのではないことを自覚する必要があるのです。

以上、五つの心得を学びました。私たちは伝道が難しいと言われる今の日本においても、これらの主が教えられた心得えを基本として、それぞれ遣わされた場にあって伝道の働きを進めていく者でありたいと思います。

 
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