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  いのちを回復させる権威者(1)  

2009年6月14日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:マタイの福音書9章18〜26節

[18]イエスがこれらのことを話しておられると、見よ、ひとりの会堂管理者が来て、ひれ伏して言った。「私の娘がいま死にました。でも、おいでくださって、娘の上に御手を置いてやってください。そうすれば娘は生き返ります。」 [19]イエスが立って彼について行かれると、弟子たちもついて行った。 [20]すると、見よ。十二年の間長血をわずらっている女が、イエスのうしろに来て、その着物のふさにさわった。 [21]「お着物にさわることでもできれば、きっと直る。」と心のうちで考えていたからである。 [22]イエスは、振り向いて彼女を見て言われた。「娘よ。しっかりしなさい。あなたの信仰があなたを直したのです。」すると、女はその時から全く直った。 [23]イエスはその管理者の家に来られて、笛吹く者たちや騒いでいる群集を見て、 [24]言われた。「あちらに行きなさい。その子は死んだのではない。眠っているのです。」すると、彼らはイエスをあざ笑った。 [25]イエスは群集を外に出してから、うちにおはいりになり、少女の手を取られた。すると少女は起き上がった。 [26]このうわさはその地方全体に広まった。

説教要旨

マタイの福音書8、9章には、イエス様が真のメシヤであることを実証するために10の奇跡が記されています。本日の箇所はその7番目と8番目の奇跡です。

<ある会堂管理者の依頼>
イエス様がヨハネの弟子たちと話をしている時、「ひとりの会堂管理者」がイエス様のもとを訪れました。彼は、会堂の運営に責任を持っていた人で、ユダヤ社会における有力者でありましたが、イエス様に対してあることを「ひれ伏して」願ったのです。彼の願いは、自分の家に来て、死んだ自分の「娘の上に御手を置いて」欲しいというものでした。この会堂管理者は、自分の娘の死という、あってはならない事態に直面し、絶望を覚えつつも、イエス様は、人の死後に対しても絶対的な権威を持っていることを信じたのです。驚くべき信仰です。彼の要請にイエス様はすぐに応じられました(19節)。

<長血をわずらう女と遭遇>
ところが、イエス様が弟子たちと会堂管理者の家に向かう途中別の出来事が起こりました。それは、「12年の間長血をわずらっている女」(20節)との遭遇でした。この女性は、会堂管理者とはまた違う苦しみを背負って生きてきたのです。「長血」という、出血が止まらない病気に「12年の間」という長い期間にわたって苦しんでいただけでなく、長血であるがゆえに、社会の中で「汚れている」(レビ記15章19節)と見なされていたのです。そこには隔離と屈辱の生活があったのです。

彼女はある意味“生ける屍”でした。この女性が、「きっと直る」と自らの癒しを期待して、会堂管理者の家に向かう途中のイエス様の「うしろ」から近づき、イエス様の「着物のふさ」に触ったのです。おそらく、揺れ動く「ふさ」(民数記15章38節)にさわるのが一番気づかれる心配がないと判断したためと思われます。この女性は、会堂管理者のように、正面から堂々とイエス様に願うことができませんでした。「汚れている」とされていた女性が、人々の中に入ること自体、大きな勇気を要することであったのです。おそらく、彼女は、自分の目的を果たしたら、の場を立ち去ろうと考えていたようです。

しかし、イエス様は、この女性がそのまま立ち去ることを望まず、彼女がイエス様に触った瞬間、「振り向いて彼女を見て、『娘よ。しっかりしなさい。あなたの信仰があなたを直したのです。』」(22節)と、言われたのです。この時大勢の群衆がイエス様を取り囲んでいましたが、イエス様の関心はこの女性に向けられ、励ましたのことばをかけられたのみか、彼女のとった行動を良しとしてくださったのです。人を避け、臆病に生きてきた彼女にとって、このことは驚きの瞬間であり、十二年間の苦悩が報われ、病が癒された時となったのです。

著者マタイは、この女性の病が、イエス様のことばが語られた「その時」に癒されたことを強調しています。イエス様のこのような奇蹟の御業は、イエス様というお方が肉体のいのちだけでなく、霊的ないのちを回復させる権威者であることを示しているのです。

 
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