検見川聖書バプテスト教会
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  飼い葉桶の中のメシヤ  

2008年12月21日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:ルカの福音書2章1〜14節

[1]そのころ、全世界の住民登録をせよという勅令が、皇帝アウグストから出た。 [2]これは、クレニオがシリヤの総督であったときの最初の住民登録であった。 [3]それで、人々はみな、登録のために、それぞれ自分の町に向かって行った。 [4]ヨセフもガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。彼は、ダビデの家系であり血筋でもあったので、 [5]身重になっているいいなずけの妻マリヤもいっしょに登録するためであった。 [6]ところが、彼らがそこにいる間に、マリヤは月が満ちて、 [7]男子の初子を産んだ。それで、布にくるんで、飼葉おけに寝かせた。宿屋には彼らのいる場所がなかったからである。 [8]さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。 [9]すると、主の使いが彼らのところに来て、主の栄光が回りを照らしたので、彼らはひどく恐れた。 [10]御使いは彼らに言った。「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです。 [11]きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。 [12]あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」 [13]すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現われて、神を賛美して言った。 [14]「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」

説教要旨

クリスマスは、神の御子イエス様がこの地上に誕生されたことを喜び祝う日です。聖書は、イエス様が誕生された時に寝かされた場所が「飼い葉桶」であったと記しています。なぜ、出産に最適な場所ではなく、家畜の臭気がする飼い葉桶に寝かされたのでしょうか。本日は、「飼い葉桶」に込められた意味を学びます。

<「飼い葉桶」に寝かされた理由>
「飼い葉桶」とは、家畜の飼料を入れる器ですから、そもそも、生まれたての新生児が寝かされる場所ではありません。衛生的にも問題のある場所です。なぜイエス様はそのような「飼い葉桶」に寝かされたのでしょうか。

その理由は、当初ヨセフとマリヤが出産の場所として考えていた「宿屋に」(7節)居場所がなかったからでした。人は大切な相手に対しては、その来訪に際して、出来る限り良い場所を用意します。神のひとり子、王の王であるイエス様こそ最高の場所で誕生するにふさわしいお方のはずです。それにも関わらず、イエス様は宿屋の中にもその場所が用意されず、家畜同然の扱いをされてしまったのです。当時の人々は、なんてひどい迎え方をしたのだ!と思ってしまいます。

しかし、ピリピ書によれば、「飼い葉桶」のような低き場所で生まれることはイエス様ご自身の意志に基づくことであったのです。「キリストは、神の御姿であられる方なのに、神のあり方を捨てることができないとは考えないで、ご自分を無にして、仕える者の姿をとり・・・」(ピリピ2章6〜7節)イエス様はご自分の意志で「飼い葉桶」に寝かされることをあえて選択されたということです。

<「飼い葉桶」が象徴していること>
「飼い葉桶」は四つのことを現しています。まず、「飼い葉桶」は、経済的「貧しさ」を現しています。物質的必要を覚える両親の子としてイエス様は誕生されたのです。第二に「飼い葉桶」は、社会階級の「低さ」を現しています。社会の底辺にあって、人から見さげられる卑しい立場にイエス様は立たれたのです。第三に「飼い葉桶」は、自分を守るものが何もない「無防備さ」を現しています。大きな不安を覚える状態の中にイエス様は身を置かれたのです。第四に「飼い葉桶」は、肉体的、精神的な「弱さ」を現しています。人に助けてもらわなければ生きていけない無力さをイエス様は経験されたのです。以上のことから、最も卑しく低い場所が「飼い葉桶」なのです。

<「飼い葉桶」に寝かされた目的>
なぜ、イエス様はそのような最低の場所に寝かされたのでしょうか。何か特別な目的があったとしか思えません。その問いに対する答えは、最初にイエス様の誕生を知らされたのが「羊飼い」たちであったことから明らかです。すなわち、当時の社会にあって、まさに「飼い葉桶」が象徴している四つのことを日々経験している人たちが当時の羊飼いたちだったのです。

天をその住まいとされているお方が、「神のあり方を捨てることができないとは考えないで」最も卑しい場所にその身を置かれた。この出来事こそ、クリスマスを通して私たちにもたらされた最高に喜ばしい知らせではないでしょうか。

 
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