検見川聖書バプテスト教会
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  生ける望みによって歩む  

2008年4月20日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:Iペテロ1章3〜5節

[3]私たちの主イエス・キリストの父なる神がほめたたえられますように。神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。 [4]また、朽ちることも汚れることも、消えて行くこともない資産を受け継ぐようにしてくださいました。これはあなたがたのために、天にたくわえられているのです。 [5]あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりのときに現わされるように用意されている救いをいただくのです。

説教要旨

現代社会に顕著な傾向として、人々の暮らしに対する不安感が高まっているということが挙げられます。最近、内閣府が発表した「社会意識に関する世論調査」によると、前年と比較して2〜3倍もの人が「景気」「物価」「食糧」について、悪い方向に向かっていると答えたそうです。このような不安感というものは、トライオン・エドワーズ(19世紀・アメリカの神学者)が「不安は人生を蝕む錆であり、その輝きを破壊し力を弱める」と指摘するまでもなく、私たちの心にある希望の灯火を吹き飛ばしてしまう激しい風のようなものだと言えます。

さて、そのような私たちに本当の意味で安心と活力を与えるものは何でしょうか。それは将来における確かな希望に尽きると断言できます。期待を膨らませても、実現に至らない不確かな希望ではなく、他のどんなものが消えてしまっても、どんなに激しい嵐が吹きすさんでも、この火だけは絶対に消えない、と断言できるほどに生き生きと輝く希望です。本日は、聖書が明らかにしている真の希望である「生ける望み」をどのようにして持つことができるか見ていきましょう。

まず、この手紙の著者ペテロは「生ける望み」の前提として三つの事実を明らかにしています。それは、第一に、生ける神の憐れみが人類に注がれたこと、第二に、イエス・キリストが死を克服されたこと、第三に、キリストを信じた者たちが新生したことです。

「神は、ご自分の大きなあわれみのゆえに、イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせて、生ける望みを持つようにしてくださいました。」(3節)

聖書は一貫して、神が憐れみ深い方であることを証言しています。例:詩人アサフの告白「しかし、あわれみ深い神は、彼らの咎を赦して、滅ぼさず、幾度も怒りを押え、憤りのすべてをかき立てられはしなかった。」(詩篇78篇38節)。この憐れみ深い性質のゆえに、神は私たち罪人を滅ぼすことをなさらなかったのです。

さらに、この神の憐れみは、私たち人間を救おうとする具体的行為が伴うものでありました。その最も重要な出来事がイエス・キリストの復活なのです。使徒パウロは、このことが救い主イエス・キリストの現れによって明らかにされたことを述べつつ、「キリストは死を滅ぼし、福音によって、いのちと不滅を明らかにされました。」(IIテモテ1章10節)と、全ての人にとっての究極的な不安要因である死を、イエス・キリストが復活によって取り除いてくださったことを告白しています。

ですから、このこと信じる人は誰でも、肉体の死で終わらない永遠のいのちによって生かされ、どんな時でも希望を失うことなく「新しく造られた者」(Uコリント5章17節)として、歩むことができるのです。ここにこそ、どんな大きな絶望を覚える時でも、消えることのない「生ける望み」があるのです。この希望は、私たちの心の中にしっかりと根を張り、枝を伸ばし、花を咲かせ、実を結ばせ、不安感を覚える生活に潤いをもたらすのです。

 
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