検見川聖書バプテスト教会
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  復讐について(3)  

2007年10月21日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:ローマ人への手紙12章17〜21節

[17]だれに対してでも、悪に悪を報いることをせず、すべての人が良いと思うことを図りなさい。 [18]あなたがたは、自分に関する限り、すべての人と平和を保ちなさい。 [19]愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。「復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。 [20]もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。 [21]悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。

説教要旨

これまで復讐について、マタイ福音書から二回学びました。三回目は、ローマ書からです。この箇所では復讐の対象となる「悪」に対して、取るべき態度とその効果について述べられています。

まずパウロは「悪」に対して、取ってはいけない態度をあげています。それは「悪に悪を報いること」(17節a)です。生まれながらに罪を持っている私たち人間は、悪には悪をもって仕返しをすることで、気持ち(怒り)を晴らすという性質があります。これを復讐と言いますが、復讐は連鎖を生み、とどまることを知らず、悲惨な結果に終わります。復讐は、悪を取り除くどころか、かえって悪を増幅させてしまい、お互いの対立の根が深くなるだけなのです。私たちは誰もが、少なからずこのような苦々しい経験があるのではないでしょうか。

次にパウロは「悪」に対して、「善」をもって向かうことを勧めています。具体的に四つの善があります。(1)「すべての人が良いと思うことを図」(17節b)ること。これは復讐すべき相手に対して、自分の思いを優先するのではなく、「すべての人」にとって良いことを優先するということです。(2)「自分に関する限り、すべての人と平和を保つ」(18節)こと。相手の態度がどうであるかを問題にせず、自分の側では主体的に平和を保つ努力をしているかが大切なのです。(3)悪に対して神の怒りに任せること。「自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。」(19節)。すべてをご存じのお方が正しいさばきを下すのを待つことが私たちの取るべき態度なのです。(4)敵対者に対して愛で立ち向かうこと。「もしあなたの敵が飢えたなら食べさせなさい。渇いたなら飲ませなさい。」(20節)自分に敵対する者が困っている状況において、愛と赦しの思いをもって積極的に助ける行為をすることが、悪に対して愛で立ち向かうことなのです。

「そうすることによって、彼の頭に燃える炭火を積むことになる」(20節b)という思いもよらない効果が生じるのです。「頭に燃える炭火を積む」とは難しい表現ですが、体中が熱くなるような恥ずかしい思いをさせること、すなわち愛によって相手の罪を示すという意味なのです。

この箇所のまとめとして、「悪に負けてはいけません。かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい」(21節)とパウロは結論づけています。復讐することは悪に負ける生き方であること、クリスチャンは善をもって悪を征服する生き方が可能であることを明らかにしているのです。

最後に考えてみましょう。皆さんは悪に対してどのような態度を取っているでしょうか。善をもって悪に打ち勝つことは、自分の力でやろうとしても出来ないことです。しかし、私たちには福音の力があるのです。かつて神の敵であった私たちが、神の愛により罪が示され、イエス様の十字架による罪の赦しを頂いているわけですから、その赦しに基づいて自分の敵をも愛し赦していきましょう。悪に打ち勝った状況に胸躍らせて、善をもって悪を征服しようではありませんか。

 
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