検見川聖書バプテスト教会
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  復讐について(2)  

2007年10月14日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:マタイの福音書5章38〜42節

[38]『目には目で、歯には歯で。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。 [39]しかし、わたしはあなたがたに言います。悪い者に手向かってはいけません。あなたの右の頬を打つような者には、左の頬も向けなさい。 [40]あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着もやりなさい。 [41]あなたに一ミリオン行けと強いるような者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。 [42]求める者には与え、借りようとする者は断わらないようにしなさい。

説教要旨

前回、「悪い者」に対して“報復しない”という愛と赦しの原則を示すことによって、イエス様は復讐規定の真意を明らかにされました。39節の後半からはこの原則をどのように適用するかが具体的事例によって説明されています。

<事例1>
「あなたの右の頬を打つ者には、左の頬も向けなさい。」(39b)。この事例は、侮辱を受けたケースが想定されています。「右の頬を打たれる」という行為は、当時のユダヤ社会で最大の侮辱を意味しました。このようなケースにおける選択肢は、我慢するか相手に仕返しするかのどちらかでしょう。しかし、驚くことにイエス様は「左の頬も向けよ」と勧めるのです。これは有り得ない話です。まさに復讐心から解放された人のみが取れる態度だと言えます。

<事例2>
「あなたを告訴して下着を取ろうとする者には、上着をもやりなさい。」(40節)。この事例は、不当な理由で何かを要求されたケースが想定されています。「下着」(ジャケット)は何着か持っているものでしたので借金の担保に要求されることがありましたが、夜具にも使われる「上着」(オーバー)は質にとることが禁止されるほど大切なものだったのです(出エジプト22章26〜27節)。このようなケースでは、当然自らの権利を主張できるわけです。しかしイエス様は、気前よく「上着をもやりなさい」と勧めるのです。自らの権利に固執している人はこのような態度は絶対に取れません。御国の民だから出来ることなのです。

<事例3>
「あなたに一ミリオン行けと強いる者とは、いっしょに二ミリオン行きなさい。」(41節)。この事例は、何かを強制的にさせられるケースが想定されています。当時、ローマ人が公用のために必要が生じた場合、被占領国であるユダヤ人に対して強制的に、食物、宿舎、馬、助力を提供させるということがありました(ルカ23章26節)。このようなことは毎日をやっと生きている人には大変迷惑な話です。当然相手に対する反発心が芽生えます。しかし、イエス様は喜んで「いっしょに二ミリオン行きなさい」と勧めるのです。求められた以上のことを積極的にすることは福音によって変えられた人の姿だと言えます。

<事例4>
「求める者には与え、借りようとする者は断らないようにしなさい。」(42節)。この事例は、金銭や物品の貸し借りがあるケースが想定されています。人間は金品に対する執着があるので、何かと出し惜しみする傾向があります。しかし、イエス様は「与え・・・断らないようにしなさい」と勧めることで、相手の最も必要としているものを、良く考えてから与えなさいと言うのです。復讐心から解放されている人は、執着心からも解放されているのです。

以上、四つの事例を通して私たちに教えられていることは何でしょうか。それは、復讐の連鎖を断ち切ることは、どのような状況においても御国の民に求められている、と言うことです。これは福音の力によって生きる御国の民だから可能なことなのです。お互いに、この特権を大いに行使する者となりましょう!

 
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