検見川聖書バプテスト教会
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  誓いについて(1)  

2007年9月9日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:マタイの福音書5章33〜37節

[33]さらにまた、昔の人々に、『偽りの誓いを立ててはならない。あなたの誓ったことを主に果たせ。』と言われていたのを、あなたがたは聞いています。 [34]しかし、わたしはあなたがたに言います。決して誓ってはいけません。すなわち、天をさして誓ってはいけません。そこは神の御座だからです。 [35]地をさして誓ってもいけません。そこは神の足台だからです。エルサレムをさして誓ってもいけません。そこは偉大な王の都だからです。 [36]あなたの頭をさして誓ってもいけません。あなたは、一本の髪の毛すら、白くも黒くもできないからです。 [37]だから、あなたがたは、『はい。』は『はい。』、『いいえ。』は『いいえ。』とだけ言いなさい。それ以上のことは悪いことです。

説教要旨

四つ目の反対命題は「誓い」についてです。ガリバー旅行記の著者として有名な小説家ジョナサン・スウィフトは、「約束とパイの外皮は容易に破れるものである」と述べていますが、聖書は「誓い」について何と教えているのでしょうか。

<旧約聖書における「誓い」>
旧約聖書には「誓い」について幾つかの規定があります。民数記30章2節には、「人がもし、主に請願をし、あるいは、物断ちをしようと誓いをするなら、そのことばを破ってはならない。すべて口から出たとおりのことを実行しなければならない。」(参照レビ記19章12節、申命記6章13節、23章21節・23節)

これらの規定では、(1)人間が堕落した結果生じた“偽る”という悪い傾向に手綱(ブレーキの役目)をつけること、(2)誓いを真剣で重要な事柄に制限することが意図されています。現代は、誓いっぱなしで守れない、あるいは守らないことが横行しています。例−結婚を誓い合った夫婦が安易に離婚する、当選した政治家が公約を守らないこと等。そしてそのこと故に、互いのことばや会話が信頼できなくなり、相互の信頼関係が崩れてしまうのです。神が人間に求めていることは何でしょうか。それは、人が自分の言ったことばに責任を持つこと、そしてそれを誠実に実行することに他なりません。「主はあなたに告げられた。人よ。何が良いことなのか。主は何をあなたに求めておられるのか。それは、ただ公義を行ない、誠実を愛し、へりくだってあなたの神とともに歩むことではないか。」(ミカ書6章8節)。

<「誓い」の根本精神を忘れていた人々>
ユダヤ人は、長い歴史の間にこの規定の根本精神を忘れてしまいました。イエス様の時代の人々は、自分たちの都合に合わせて「誓い」を二種類(絶対に果たすべきこと・そうでないこと)に分けていたのです。「だれでも神殿をさして誓ったなら、何でもない。しかし、神殿の黄金をさして誓ったら、その誓いを果たさなければならない。」(マタイ23章16節)。このような結果として、自分の言ったことばに責任をとらなくなる人や自分に都合の悪い事実を平気でねじ曲げる人が増えていくのです。不誠実な人ばかりが目につく事態をダビデは嘆いています。「聖徒はあとを絶ち、誠実な人は人の子らの中から消え去りました。人は互いにうそを話し、へつらいのくちびると、二心で話します。」(詩篇12篇1〜2節)。これは私たちの姿と重ならないでしょうか。

<神様はどうであるか>
罪ゆえに不誠実さが目立つ私たち人間に対して、神様は変わらない誠実さをもって応え続けてくださいました。預言者エレミヤが「主は遠くから、私に現れた。『永遠の愛をもって、わたしはあなたを愛した。それゆえ、わたしはあなたに誠実を尽くし続けた。』」(エレミヤ書31章3節)と証言していますが、具体的には、私たちの罪を贖うためにイエス・キリストがこの世に来られたこと、そして十字架で死なれたことによって、十二分に現されているのです。

最後に覚えるべきことは、キリストによって現された神の愛を素直に受け取ること、それが誠実な神に対して私たちができる最善の応答だということです。そして、信じる者に与えられる「誠実」という御霊の実を豊かに実らす者になろうではありませんか。そのような私たちを神は心から喜んでくださるのです。

 
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