検見川聖書バプテスト教会
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  神の国の交わり  

2006年8月13日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:使徒の働き2章37〜47節

[37]人々はこれを聞いて心を刺され、ペテロとほかの使徒たちに、「兄弟たち。私たちはどうしたらよいでしょうか。」と言った。 [38]そこでペテロは彼らに答えた。 「悔い改めなさい。そして、それぞれ罪を赦していただくために、イエス・キリストの名によってバプテスマを受けなさい。 そうすれば、賜物として聖霊を受けるでしょう。 [39]なぜなら、この約束は、あなたがたと、その子どもたち、ならびにすべての遠くにいる人々、すなわち、私たちの神である主がお召しになる人々に与えられているからです。」 [40]ペテロは、このほかにも多くのことばをもって、あかしをし、「この曲がった時代から救われなさい。」と言って彼らに勧めた。 [41]そこで、彼のことばを受け入れた者は、バプテスマを受けた。その日、三千人ほどが弟子に加えられた。 [42]そして、彼らは使徒たちの教えを堅く守り、交わりをし、パンを裂き、祈りをしていた。 [43]そして、一同の心に恐れが生じ、使徒たちによって、多くの不思議なわざとあかしの奇蹟が行われた。 [44]信者となった者たちはみないっしょにいて、いっさいの物を共有にしていた。 [45]そして、資産や持ち物を売っては、それぞれの必要に応じて、みなに分配していた。 [46]そして毎日、心を一つにして宮に集まり、家でパンを裂き、喜びと真心をもって食事をともにし、 [47]神を賛美し、すべての民に好意を持たれた。主も毎日救われる人々を仲間に加えてくださった。

説教要旨

“パックス・ロマーナ(ローマの平和)”と呼ばれたローマ帝国全盛の時代。この帝国内の辺境の地エルサレムで、歴史上かつてなかった新しい国が興りました。その国とは、イエス・キリストによって始められ(マルコ1章14〜15節)、弟子達によって引き継がれた国(ルカ10章9節)“神の国”−創造主なる神が支配する国−です。イエス・キリストの復活後50日目の出来事であるペンテコステの日にペテロがした説教を通して、神の国の民となる人たちが興されたのでした。

この説教(2章14〜36節)で示されたのは、キリストの十字架の死と復活の事実と罪無き人を殺してしまうほどに根深い人間の罪の姿でした。聞いた人々の反応は表面的ではなく、心の奥底からのものでした。「人々はこれを聞いて心を刺され・・・」(37節)と自分の内面にある罪をはっきりと自覚し、使徒たちにどうしたらよいかと尋ねたほどでした。この時罪を悔い改めた人々が、「罪の赦し」(38節)と「約束の聖霊」(38節)を受け、“神の国の国籍”を得る者とされた(ピリピ3章20節)のです。そして罪を赦して頂いた故に、キリストの支配のうちを歩むことを公に表明する「バプテスマ」(41節)を受け、神の国の民の交わりである“教会”に加わったのでした。このように、キリストを主として受け入れ、その支配に服した人々のただ中に、“神の国”は存在し始めたのです。

次に42節以降で、神の国の民とされた人々の生活の特徴が描かれています。まず(1)「使徒たちの教えを堅く守り」(42節a)−多様な価値観のある社会の中で、聖書という一つの規範を信じ堅く守った。次に(2)「交わり」(42節b)−単なる人間同士の親しい関係ではなく、身分による貧富の差や性別や民族の相違を超えた神の家族としての自覚に基づく生活をした。さらに(3)「パンを裂き」(42節c)−これは聖餐式のこと。この行為は、イエス・キリストの死とその血による新しい契約を回想し覚えるとともに、そこに現臨する復活の主に出会うという意味。キリストによる救いを共有し覚える交わりがここにありました。最後に(4)「祈り」(42節d)−互いに祈り合うことによって、各自のため、教会のために悩みや悲しみ、喜びや感謝を分かち合うことをしたのです。

このような彼らの敬虔な教会生活と温かい交わりの生活は、「すべての民に好意を持たれた」(47節)と記されているように、回りの人々から注目され、歓迎されるような魅力を備えていたのです。このことは、ローマ皇帝という地上の王が武力によってもたらした平和よりも、天の神がキリストの愛によってもたらした平和こそが、勝っていることを現しているのではないでしょうか。教会の交わりとは、神の国を具現するものであり、キリストを頭とした素晴らしい人間共同体なのです。私たちもひとつひとつの教会の交わり(御言葉を学ぶ・神の家族として生活する・聖餐を行う・祈りあう・食事をする)には、大切な意義があることを自覚しつつ、「心を一つにして宮に集まる」(46節)者でありたいと思います。

 
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