検見川聖書バプテスト教会
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  残された相続地に目を向ける  

2006年7月9日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:ヨシュア記13章1〜7節

[1]ヨシュアは年を重ねて老人になった。主は彼に仰せられた。「あなたは年を重ね、老人になったが、まだ占領すべき地がたくさん残っている。 [2]その残っている地は次のとおりである。ペリシテ人の全地域、ゲシュル人の全土、 [3]エジプトの東のシホルから、北方のカナン人のものとみなさているエクロンの国境まで、ペリシテ人の五人の領主、ガザ人、アシュドデ人、アシュケロン人、ガテ人、エクロン人の地、それに南のアビム人の地、 [4]カナン人の全土、シドン人のメアラからエモリ人の国境のアフェクまでの地。 [5]また、ヘルモン山のふもとのバアル・ガドから、レボ・ハマテまでのゲバル人の地、およびレバノンの東側全部。 [6]レバノンからミスレフォテ・マイムまでの山地のすべての住民、すなわちシドン人の全部。わたしは彼らをイスラエル人の前から追い払おう。わたしが命じたとおりに、ただあなたはその地をイスラエルに相続地としてくじで分けよ。 [7]今、あなたはこの地を、九つの部族と、マナセの半部族とに、相続地として割り当てよ。」

説教要旨

エジプトにおける奴隷生活とそこからの解放、そして40年にも及ぶ荒野における困難な旅路と約束の地カナンへの到着、さらに指導者と民の世代交代。イスラエルの歩みは、新約の神の民である“教会”の歩みと重なります。モーセ五書に続くヨシュア記では、約束の地に到着してからのイスラエルの歩みが記されています。1〜12章:相続地を得るための戦いの記録、13章以降:相続地分割とヨシュアの告別説教。この書の分岐点とも言えるこの13章ではカナンに到着してしばらくの時を経ていた指導者ヨシュアに対する神の指示が記されています。

まず、1節において神は「まだ占領すべき地がたくさん残っている」とヨシュアに言われました。この時、ヨシュアは人生の晩年を迎え、「年を重ねて老人になっていた」(1節)おそらく90歳は過ぎていたのでしょう。当に引退して静かに余生を過ごしても良い年齢です。このようなヨシュアに対して「取るべき地はなお多い」との神の言葉は、一見するとずいぶん酷な言葉のように思えます。果たして、神はヨシュアの怠慢を責めているのでしょうか。年齢から来る肉体的な衰えを味わっていたヨシュアに対して、現状ではまだ不十分だから、留まっていることは怠慢だ!なお取るべき地は多い。出て行って勝利をおさめなさいと。

この神の言葉の真意は、聖書を読み進めていくことでわかります。まず言われていることは、(1節)残された相続地を忘れないようにとの勧めです。(2〜6節a)神が既に与えられた地(民数記34章1〜15節)を忘れないように「その残っている地は次のとおりである」(2節)と再度言うことで、記憶を思い起こさせてくださったのです。次に、主ご自身がこれらの地(残された相続地)を取ってくださるとの約束です。「わたしは彼らをイスラエル人の前から追い払おう」(6節)事を成すのは、人の熱意や努力ではなく、神の熱心によるのだということを私たちは覚える必要があります(イザヤ55章9〜13節)。三番目に、御言葉の成就に備えよとの命令。「ただあなたはその地をイスラエルに相続地としてくじで分けよ。」(7節)。まだ征服が完了していないカナンの全地を部族ごとに割り当てよ、とおっしゃるのです。まだ手に入れてないものを、既に手に入れたかのようにして分けるとは、順序が逆だと思います。しかしこれこそが、私たちが聖書から学ぶべき順序なのです。

前途に多難を予想して、神の約束を疑うのではなく、神が与えて下さるのだから、それを信頼し、むしろ得られた後のことを今から準備しなさいということなのです。それが確かに神の約束であるならば、必ず成就する。だから、御言葉が成就したときに、すぐに行動に移れるように、既に事は成ったとして今から準備を始めよと、神は言っておられるのです。・・・以上が、神がヨシュアに語られた言葉の真意です。私たちも、このような意味で「残された相続地に目を向けよ」と言われていることを覚えたいと思います。そして神の約束に信頼し、神が既に与え下さっているという確信のもとに、今為すべき備えをしたいものです。

 
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