検見川聖書バプテスト教会
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  ノアの箱舟  

2006年6月4日(日) 礼拝説教要旨
説教者:高田 厚 師

聖書箇所:創世記6章5〜22節

[5]主は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった。 [6]それで主は、地上に人を造ったことを悔やみ、心を痛められた。 [7]そして主は仰せられた。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう。人をはじめ、家畜やはうもの、空の鳥に至るまで。わたしは、これらを造ったことを残念に思うからだ。」 [8]しかし、ノアは、主の心にかなっていた。 [9]これはノアの歴史である。ノアは、正しい人であって、その時代にあっても、全き人であった。ノアは神とともに歩んだ。 [10]ノアは三人の息子、セム、ハム、ヤペテを生んだ。 [11]地は、神の前に堕落し、地は、暴虐で満ちていた。 [12]神が地をご覧になると、実に、それは、堕落していた。すべての肉なるものが、地上でその道を乱していたからである。 [13]そこで、神はノアに仰せられた。「すべての肉なるものの終わりが、わたしの前に来ている。地は、彼らのゆえに、暴虐で満ちているからだ。それで今わたしは、彼らを地とともに滅ぼそうとしている。 [14]あなたは自分のために、ゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟に部屋を作り、内と外とを木のやにで塗りなさい。 [15]それを次のようにして造りなさい。箱舟の長さは三百キュビト。その幅は五十キュビト。その高さは三十キュビト。 [16]箱舟に天窓を作り、上部から一キュビト以内にそれを仕上げなさい。また、箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。 [17]わたしは今、いのちの息のあるすべての肉なるものを、天の下から滅ぼすために、地上の大水、大洪水を起こそうとしている。地上のすべてのものは死に絶えなければならない。 [18]しかし、わたしは、あなたと契約を結ぼう。あなたは、あなたの息子たち、あなたの妻、それにあなたの息子たちの妻といっしょに箱舟にはいりなさい。 [19]またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れてはいり、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。 [20]また、各種類の鳥、各種類の動物、各種類の地をはうものすべてのうち、それぞれ二匹ずつが、生き残るために、あなたのところに来なければならない。 [21] あなたは、食べられるあらゆる食糧を取って、自分のところに集め、あなたとそれらの動物の食物としなさい。」 [22]ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った。

説教要旨

創造の初め、この世界は神の作品として造られました。造られたすべてのものをご覧になった時「それは非常に良かった」(創世記1章31節)と神の御目に清浄に映っていた世界。それがノアの時代には、落ちに落ち、眉をしかめるほど汚れた世に成り変っていたのでした。「主は、人の悪が増大し、その心に計ることが、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった」(6章5節)残念な結果です。

このように悪くなった原因は、人間に罪が入ってきたことと関係があります(創世記3章1〜7節)。かつて「生めよ。ふえよ。地を満たせ」(1章28節)と祝されたときの生命は、今や一日が長ければ長いだけ、悪が広がり、腐れが進むようになってしまったのです。神を喜び、その栄光を現わすべく造られた人間は、創造主なる神を神として崇めることを拒み、自らを神とし、造られたものを拝み、仕え、欲望のままに生きるものとなった(ローマ1章25〜32節)のです。

人間の罪は、何よりも神の心を痛めました(6節)。そして、人間的な言い方をすれば、胸もつぶれる思いで、ある大きな決断をされたのです。「わたしが創造した人を地の面から消し去ろう」(7節)。聖なる神は、堕落した人間と世界を審く決断をされました。この洪水前の世界は、神が自ら大手術をする以外に選択肢がないところまで、人間の罪という病が地に拡がっていたのです。(11〜12節)

ほとんどの人々が神抜きで生き、社会に裏切りと不道徳の満ちた時代。主の名を呼ぶ人たちであっても、この世の美や流行という時代のバス(流れ)に乗り遅れてはならないと感じ、実際に流されていた時代の中で、唯一の例外がいました。「ノアは主の心にかなっていた」。その唯一の例外を見落とさずに、希望を託されるお方の眼が注がれたのでした。まるで、すべてを押し流す濁流の中に懸命に抵抗する一本の杭のようなノアに目を留めた神の姿が思い浮かびます。「見よ。主の目は主を恐れる者に注がれる。その恵みを待ち望む者に」(詩篇33章18節)。

このような神の審きが、差し迫っている状況の中で、神の恵みを得たノアとその家族だけが、終りの日に備えることが出来ました。神のご計画が知らされた(13節)ノアには、さらに救いの方法が提示されました「あなたは・・・箱舟を造りなさい」(14〜21節)。船の材料、防水方法、大きさ、積荷(ノアの家族と動物、食料)、目的「生き残るために」(19〜20節)等。細かすぎると思うほどに詳細な設計図が渡されました。近代的な“船の概念”などなく、大洪水など経験したことのない時代のノアではありましたが、聖書はごく短いことばで、神のことばに対するノアの反応を記しています。「ノアは、すべて神が命じられたとおりにし、そのように行った」(22節)。

舟を造るための大変な作業が現実にはあり、その他にも馬鹿でかい舟を必要とするような洪水などありうるはずはないと鷹をくくる人々からの嘲笑の中で、このような信仰的決断が出来たということは驚くべきことです。神を信じ、その御言葉に従ったノアは、箱舟を造り、完成後箱舟に入った一家は信仰による義、救いを受けました。(創世記11章7節)

パウロは、「救われるためには何をしなければなりませんか」と叫び問うたピリピの看守に「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます」と答えました(使徒16章31節)。私たちの創造主なる神は、罪ゆえに悪に傾く私のために、「心を痛め」御子イエス・キリストの十字架という箱舟を造り、救われよ、と招いてくださいます。神の御言葉に聞き従いましょう!(※参照 マタイ24章36〜42節・ルカ21章32〜34節)

 
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